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第0070号 ~顧問先から見た自計化のホンネ
(更新日:2010年04月14日)
今日は「顧問先から見た自計化」についてお話します。
多くの先生方の事務所では、TKCのFX2や
JDLのIBEXなどの会計ソフトを利用していることと思います。
また、それが弥生会計でも勘定奉行でもPCA会計でも構いません。
要は、顧問先企業が「自社で経理をやること」を自計化と言います。
税理士事務所からすれば、そんなことは当たり前のことであって、
「税理士事務所の本来の仕事は出来上がった数字の分析をすること」と
おっしゃる先生も多いです。
しかし現実はそうもいかず、世の中にある70%以上の中小零細企業では
「経理に関しては税理士事務所におまかせ」というところが多いですね。
その理由の1つには、「仕訳がよくわからない」とか、
「面倒臭いから」とか「元帳なんてつけられない」というものがあります。
そして顧問先からすれば「それはそっち(税理士事務所)の仕事でしょ?」と
いうのが紛れもないホンネです。
いくら真剣に「自計化をしないと瞬時に会社の数字が把握できない」とか
「組織を大きく強くすることができない」と力説してみたところで、
当の顧問先は「そのために毎月顧問料を払っているんだから…」と
間違いなく腹の中では思っています。
正しい数字が分かればいい。この先の方向性を考える指針となればいい。
しかし、だからと言って「うちの社員が打ち込むことはない」と。
もっと奥深い腹の底では「楽がしたいだけじゃないの?」と思っています。
そうです。いくら先方のためを思ってアドバイスをしたところで、
顧問先からすれば「自計化=税理士事務所(担当者)が楽をしたがっている」
ようにしか見えません。
顧問先の社長のホンネは「打ち込む作業も顧問料のうち」と思っています。
となれば、自計化を強く勧めることによる大きな弊害も実際に出てきます。
自計化を強く推進するのであれば、もっと他に喜ぶことを提供しなければ
「仕事をこっちに押し付けて楽をしたがっている」と思われて終わりです。
また、個人的には「その会社、本当に自計化をする必要があるの?」と
思う会社が多いこともしばしばです。
次回のメルマガは、「自計化をさせたが故に数件の顧問料を失った
ある事務所の憂鬱」をお届けします。
本気で良かれと思ってやっていることでも「相手がどう思っているか」を
ちゃんと分析しなければ、かえってそれがアダとなる場合も多いものです。