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第0056号 ~職員の転職の99%は単なる逃避
(更新日:2009年11月18日)
昨日、500社の顧問先と50人の職員を抱える先生とお会いしました。
「まぁ、ここまでくるとすべてが順風満帆だろうなぁ」と思いきや、
職員の退職に悩まされていると意外な悩みを打ち明けられました。
そこで、私の思っていることをザッとお話しましたら、
「同じ悩みを抱えている先生が多いだろうから、是非それをメルマガで
書いてくれないか」とお願いされましたので、書かせていただきます。
税理士事務所を去る職員の多数は、独立ではなく転職です。
見事に5科目を制し、バッジをつけるならおめでたいことですが、
試験に受からないと自ら悟った時点で異業種の会社へ転職します。
しかも、その会社は自分が担当していた顧問先です。
そこで、そのようなことを画策している職員に言いたいのは、
勝手知ったる顧問先に転職するのは「単なる逃避」ということです。
その会社で働きたいのではなく今、置かれている立場から逃げたいだけ、
試験に受からないから税理士事務所とは無縁の世界に逃げたいだけです。
そんな心根で転職したところで、今より良くなることはあり得ません。
それに、税理士事務所で満足に勤まらなかった人間に、
自動車販売会社や不動産会社で勤まる訳がありません。
税理士事務所ほど楽でキレイな職場はありません。
また、受け入れる社長も「監査担当者だったからチヤホヤした」だけで、
雇用関係が発生した途端に態度が豹変することなど目に見えています。
それまで毎月3万円でやってもらっていた作業を、
明日から毎月30万円も支払わなければなりません。
しかも、税理士事務所には引き続き毎月3万円を支払うことは変わりません。
この環境が心地良いものに感じられるでしょうか。
バッジをつけて独立するか、まったく見も知らない異業種に転職するなら
まだ理解できますが、それ以外は99%逃避です。
逃避で始まった人生に安堵の終着点は訪れません。
昨日はこのような事柄について大ベテランの先生とお話していました。