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第0079号 ~不景気の今だからこそ手を打て、凛とせよ!
(更新日:2010年06月23日)
この7月で40歳を迎える税理士がいます。
彼の実家は小さな繊維会社でした。しかし、12年前に倒産すると、
そのショックで社長である父親は首を吊りました。
そのときサラリーマンだった彼はどん底の中、一念発起し、
「うちのような小さな会社を守るために税理士になる」と心に誓いました。
会社に勤めながらの猛勉強の末、5年かかって税理士試験に合格し、
それから3年間ほど福岡県の税理士事務所で実務経験を積みました。
36歳のときに独立し、彼なりに一生懸命に頑張りました。
しかし、営業が苦手な彼は顧問先を増やすことが上手くできません。
事務所の家賃を支払うのがやっとの低空飛行が4年間も続きました。
ついには、経費削減として異業種交流会もやめました。
彼にとって唯一、顧問先を増やすことのできる場だった異業種交流会。
その月会費=たった8000円がもったいなかったのでしょう。
そして3日前のこと「○○簿記専門学校から講師の依頼がありました」と、
彼から喜びの電話がありました。
どうやら税理士試験科目のうち、2科目ほど講師として教えるそうです。
1科目=年間100万円の報酬らしく、来年は200万円ゲットです。
最初の崇高な志はどこへ行ってしまったのでしょうか。
「うちのような小さな会社を守るために税理士になる」という志です。
私は、専門学校からの講師依頼を丁重に断り、
異業種交流会に再入会するように勧めました。
今、このように楽な道へ楽な道へと進めば、この税理士は、
死ぬまで○○簿記専門学校の講師から抜け出ることはできません。
不景気の今だからこそ経費を掛けて手を打たねばならないのです。
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バブルの時代はほうっておけばお客は向こうから寄って来ました。
顧問先が「不景気だから5000円値下げしてください」と言ったら、
「一回の飲み代で会社の売上がよくなるのですか?」と思いませんか?
彼は、それとまったく同じことをやっているのです。
「決して甘い誘惑に負けることなく、バッジを胸に誇らしげに凛とせよ」
彼にはそうあってもらいたいと切に願います。
不景気の今だからこそ、手を打つべきです。
バブルの時代は猫も杓子も儲かりました。
今、本当の実力が試されるいい時代だと思います。